2022年トピック

園芸学会での発表  

2023/3/15


当研究チームでは園芸学会(龍谷大学瀬田キャンパス)で以下の発表を行います。イノベーション創出強化研究推進事業の成果です。


リンドウ極早生品種‘いわて夢あおい’の全茎収穫栽培法における翌年の開花期前進効果の解析  小澤傑高瀬智敬根本圭一郎清水元樹西原昌宏内藤善美    園芸学会 令和5年度春季大会

イノベーション創出強化推進事業 成績検討会

2023/3/1

イノベーション創出強化研究推進事業 「中性園芸作物リンドウの開花制御基盤技術の開発」R3-R5の成績検討会を開催しました。        3年の取りまとめの会ですが、各委員から出されたコメントを参考に来年度以降、リンドウの開花制御確立に向けて、研究に取り組みます。

プレスリリース

2023/2/16

 ベタレインのエンジニアリングの研究が東京理科大からプレスリリースされました。

トマトのベタレインの論文

2023/1/26

トマトにナデシコ目特有の色素ベタシアニンを作らせて、機能性を評価した論文がアクセプトになりました。 東京理科大学との共同研究です。現在、ベタレイン色素によるリンドウの花色改変の研究も進めています。

Metabolic engineering of betacyanin in vegetables for anti‐inflammatory therapy

Saito, S., Nishihara, M., Kohakura, M., Kimura, K., Yashiro, T., Takasawa, S., Arimura, G. 

Biotechnology and Bioengineering (in press)

第2回推進会議

2023/1/10

農林水産研究推進事業  「ゲノム編集技術を活用した農作物品種・育種素材の開発」の第2回研究推進会議を開催しました。  包括課題との共同ですが、来年度、最終年度に向けて、課題を整理し、研究計画について議論しました。引き続き、ゲノム編集のリンドウでの活用に取り組んでいきます。

仕事始め

2023/1/4

あけましておめでとうございます。

今日は仕事納めです。今年もよい研究成果がでるようがんばります。

よろしくお願いします。

仕事納め

2022/12/28

本日は仕事納めです。今年も1年、コロナ禍での活動でしたが、 何とか成果を出すことができました。

いろいろとお世話になりました。来年もよろしくお願い致します。


重イオンビームによるピンク化リンドウ (Bzc-1 mut1)

2022/12/28

岩手県農業研究センター、当センター、量子科学技術研究開発機構が共同で開発したリンドウの育成について公開しています。

以下のYouTubeをご覧下さい。


岩手県立一関第一高等学校   出前講義

2022/12/13

当研究部の根本主任研究員が、岩手県立一関第一高等学校で「タンパク質の役割とその利用法」

についての出前講義を行いました。  


生研支援センターからのプレスリリース (八重咲きリンドウ)

2022/11/30

イノベーション創出強化推進事業で行った研究内容が紹介されています。


プレスリリース

https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/press/155725.html


こぼれ話

https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/episode_list/155272.html




りんどう研究会

2022/10/7

第24回りんどう研究会を岩手大学で開催予定です。3年ぶりの開催です。

開催案内こちらをご覧下さい。


リンドウ開花関連遺伝子の網羅的発現解析の論文

2022/10/4

イノベーション創出強化推進事業で進めている研究成果が論文になりました。RNA-seq解析によりリンドウの開花に関わる遺伝子の網羅的発現解析を行ったもので、得られた遺伝子候補について、開花制御技術の開発を目指して解析を進めます。現在、開花期に関わるマーカーも開発中です。

De novo transcriptome analysis reveals flowering-related genes that potentially contribute to flowering-time control in the Japanese cultivated gentian Gentiana triflora. Takase, T., Shimizu, M., Takahashi, S., Nemoto, K., Goto, F., Yoshida, C., Abe, A., Nishihara, M.  International Journal of Molecular Sciences 23: 11754 (2022)

論文はこちらからダウンロードできます。


重イオンビームによるリンドウの新品種作出

2022/9/26

HIMACの重イオンビーム照射により突然変異を誘発して作出した花色改変リンドウについてプレスリリースを行いました。岩手県農業研究センターと国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構殿共同研究の成果です。重イオンビームで育成した品種としてはリンドウでは初となります。

詳細はこちらをご覧下さい。


八重咲きリンドウ名称決定

2022/9/23

イノベーション創出強化推進事業でDNAマーカー育種により育成した八重咲きリンドウの名称が 「いわて八重の輝きブルー」に決まりました。ご愛顧下さい。


https://www.youtube.com/watch?v=LnfQofMNJl8

学会発表予定

2022/8/25 

当研究チームでは以下の3件の学会発表を予定しています。興味のある方はご聴講お願いします。


第39回日本植物バイオテクノロジー 学会(堺)大会

 

ゲノム編集リンドウからのヌルセグリガント個体の作出と解析

西原 昌宏,平渕 亜紀子,後藤 史奈,吉田 千春,高橋 重一,根本 圭一郎,阿部 陽, 

小田島 雅,中里 崇,小澤 傑,内藤 善美  

 

リンドウの休眠制御に関連するFRUITFULLホモログの機能解析 

高橋 秀行,西原 昌宏,吉田 千春,伊藤 紀美子




育種学会第142回講演会 (令和4年度秋季大会)

  



RNA-seqによるリンドウの有用形質に連鎖したSNPマーカー開発技術の確立 

高橋 重一, 清水 元樹, 高瀬 智敬, 根本 圭一郎, 阿部 陽, 後藤 史奈, 吉田 千春, 平渕 亜紀子, 小田島 雅, 小澤 傑, 西原 昌宏                                     

研究員の募集

2022/8/24

当研究チームでは研究員(ポスドク)を1名募集しています。

岩手県の園芸作物について基礎研究を行い、新規育種・栽培技術の活用に繋げます。

奮ってご応募下さい。

10月11日応募締切 着任予定 来年1月1日以降、なるべく早い時期

漆の発芽についての論文

2022/8/11

漆の発芽を促進する方法の論文を発表しました。

漆は岩手県の特産品ですが、難発芽種子であるため近年、国産品の供給が不足しています。

低温、gibberellin処理と塩比重による選抜で発芽率が約50%にまで向上します。

科学的にちゃんと調べたのは初めてです。 論文は以下からダウンロードできます。

Methods to promote seed germination in the lacquer tree, Toxicodendron vernicifluum (Stokes) F.A. Barkley

Nemoto et al. PLoS ONE 17: e0272665 (link)

ゲノム編集作物・花卉の開発と新展開

Development and future prospects of genome-edited crops and ornamental flowers 

2022/8/3

月刊アグリバイオ増刊2022年8号 ゲノム編集作物:花卉の開発と新展開 

にリンドウ記事を寄稿しました。ゲノム編集作物と花きの開発状況についての特集です(株)北隆館

イノベーション創出強化研究推進事業

「キャベツの根こぶ病抵抗性品種開発のためのゲノム育種基盤の整備 」 基礎ステージ(チャレンジ型)  設計検討会

2022/7/28

本年度、新たに採択になったキャベツ根こぶ病の課題の設計会議を開催しました。岩手大学の畠山准教授を代表として、岩手県に適したキャベツ根こぶ病抵抗性品種を早期に育成するという課題です。当センター、岩手県農業研究センター、新潟大学、渡辺採種場がメンバーです。残念ながら、オンラインでの開催でしたが、成果に向けて関係者一同で取り組みます。 

委託プロジェクト研究「国産花きの国際競争力強化のための技術開発」実需ニーズの高い新系統 - 及び低コスト栽培技術の開発     

リンドウ花色安定発色に関わる遺伝子マーカーの開発 で行った研究の論文を発表しました。

2022/6/22

タイトル:  リンドウの花色濃淡に関わる候補遺伝子の単離


Tasaki, K., Watanabe, A., Nemoto, K., Takahashi, S., Goto, F., Sasaki, N., Hikage, T., Nishihara, M.

Identification of candidate genes responsible for flower colour intensity in Gentiana triflora.  

Frontiers in Plant Science 13:906879 (link).

 

【研究成果の背景と概要】  

リンドウでは安定した花色の品種が求められています。 これまで、ピンク、白など青色と異なる花色の発色メカニズムの解明を行ってきましたが、花色の濃淡を制御する機構の解析は行われていませんでした。本研究では花色の濃さの異なる系統を用いて、交配により、F2集団を作出し、RNA-seq解析により発現量に差のある遺伝子を選抜しました。選抜された遺伝子のうち、薄い花色を示す系統で最も有意に発現量の差がみられたGtMIF1遺伝子(mini zinc finger protein)に着目し、タバコ形質転換体を用いた解析とDNAマーカーによる解析を行いました。その結果、リンドウのMIF1遺伝子を過剰発現させたタバコでは花色が薄くなり、薄い系統のMIF1アリルを有するF2個体は薄い花色を示す傾向が認められました。このことより、GtMIF1はリンドウの花色の濃さの制御に関わる遺伝子であることが示されました。 これまで植物のMIF遺伝子が花色に関わるという報告はなく、今回が初めての報告です。


【今後の展望】

MIF遺伝子は植物ホルモンを制御することにより植物の成長や形態形成に関わることが報告されており、リンドウで花色をどのように制御しているか、今後、解析が必要です。また、DNAマーカーを利用することにより安定発色品種の作出が期待されます。

イノベーション創出強化研究推進事業

「中性園芸作物リンドウの開花制御基盤技術の開発 」 基礎ステージ  設計検討会

2022/5/30

本年度の研究についての設計検討会を開催しました。今回は久しぶりに完全対面で開催することができました。 いただいた意見を参考に今年度、最終成果に向けて関係者一同で取り組みます。会議終了後、岩手県農業研究センターの重イオンビーム照射系統の育成や品種育成の圃場を視察しました。まだ、開花はしていませんが、これから有用な変異系統の選抜を進めます。

農林農水省 水産研究推進事業「ゲノム編集技術を活用した農作物品種・育種素材の開発 (個別)」花持ちが良く、省力栽培に適した花き  の研究成果を論文発表しました 

2022/5/17 

タイトル:  リンドウ花弁の老化に関わるEPH1L遺伝子の単離と解析

Takahashi, S., Yoshida, C., Takahashi, H., Nishihara, M.

Isolation and functional analysis of EPHEMERAL1-LIKE (EPH1L) genes involved in flower senescence in cultivated Japanese gentians.  International Journal of Molecular Sciences  2022, 23, 5608 (link) 

【研究成果の背景と概要】  

リンドウは花き類の中では、花持ちがよい方ですが、商品価値を保つため、出荷調整には低温保存や鮮度保持剤の使用が必要とされています。また、花持ちのいい品種はリンドウの商品価値を高め、消費者の購買欲向上、需要拡大に繋がります。これまでリンドウの花持ちに関わる遺伝子は単離されていませんでしたが、本研究ではアサガオで老化に関わることが知られているEPHEMERAL1 (EPH1)遺伝子に着目し、そのホモログ遺伝子をリンドウから単離し、解析を行いました。EPH1Lと名付けたリンドウの転写因子遺伝子は老化の指標遺伝子であるSAG12の発現に先だって、花弁の老化に伴い発現が上昇しました。CRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集により本遺伝子のノックアウトリンドウを作成し、暗所誘導下で脱離花を用いて花持ちを評価したところ、ゲノム編集リンドウでは花弁の老化が遅れ、本編集体ではゲノムDNAの分解やSAG12の発現も遅れており、EPH1Lはリンドウの花弁において老化に関わっていることが証明されました。

EPH1遺伝子の機能はこれまでアサガオでしか解明されていませんでしたが、本研究ではリンドウでの同様の役割を示すことをゲノム編集技術を用いて証明したもので、今後、他の花き作物での研究の進展も期待されます。

 

【今後の展望】


リンドウ花持ちに関わる遺伝子を同定したことにより、今後、DNAマーカーや突然変異体を作することにより、花持ちのいい品種の作出が期待されます。

八重咲きリンドウ苗のマーカー検定

2022/5/16


本日から岩手県農業研究センターのリンドウ苗の八重咲きマーカーの解析を行います。今年は約2000株の解析を予定しています。

この中から、新品種が生まれることを期待して、作業を行っています。

ニュース

2022/5/13 

リンドウの開閉の成果花弁ですが、Yahoo ニュースにも取り上げられました


温室のゲノム編集リンドウ

2022/5/6  

今年、鉢上げしたリンドウ(F2のヌルセグリガント個体)は順調に育っています。夏には表現型が見れる予定です。八重咲き、花持ち、花色変異等の形質評価を行います。

Plant Cellのセレクション論文 

2022/4/21

リンドウの花弁開閉の論文がPlant Cellの issue selection論文として紹介されています。

Herrera-Ubaldo, H.

Masters of flower-bending: aquaporins regulate flower re-opening. (link)

プレスリリース      -リンドウの花が開くメカニズムを世界で初めて解明!

2022/4/21

リンドウの花弁開閉の研究がPlant Cell誌にアクセプトされ、プレスリリースを行いました。Plant Cellに掲載されたのは越冬芽のゲンチオビオース以来、リンドウでは2報目です。本知見を活用して、基礎研究を進めるとともに、花の開きやすいリンドウ品種の開発等への応用も期待されます。


プロトコール集

2022/4/1

植物バイオテクノロジー学会から、プロトコール集が刊行されました。

ひとりではじめる 植物バイオテクノロジー入門 ~組織培養からゲノム編集まで~   

国際文献社

当チームからもリンドウで執筆を担当しています「リンドウの形質転換およびゲノム編集」pp212-223。 


新年度

2022/4/1

新年度が始まりました。当研究部はメンバーに変わりはありませんが、フレッシュな気持ちで研究に取り組んでいきたいと思います。本年度もよろしくお願い致します。