2022年トピック

ゲノム編集作物・花卉の開発と新展開

Development and future prospects of genome-edited crops and ornamental flowers 

2022/8/3

月刊アグリバイオ増刊2022年8号 ゲノム編集作物:花卉の開発と新展開 

にリンドウ記事を寄稿しまし。ゲノム編集作物と花きの開発状況についての特集です  (株)北隆館

イノベーション創出強化研究推進事業

「キャベツの根こぶ病抵抗性品種開発のためのゲノム育種基盤の整備 」 基礎ステージ(チャレンジ型) 設計検討会

2022/7/28

本年度、新たに採択になったキャベツ根こぶ病の課題の設計会議を開催しました。岩手大学の畠山准教授を代表として、岩手県に適したキャベツ根こぶ病抵抗性品種を早期に育成するという課題です。当センター、岩手県農業研究センター、新潟大学、渡辺採種場がメンバーです。残念ながら、オンラインでの開催でしたが、成果に向けて関係者一同で取り組みます。

委託プロジェクト研究「国産花きの国際競争力強化のための技術開発」実需ニーズの高い新系統 - 及び低コスト栽培技術の開発

リンドウ花色安定発色に関わる遺伝子マーカーの開発 で行った研究の論文を発表しました。

2022/6/22

タイトル: リンドウの花色濃淡に関わる候補遺伝子の単離


Tasaki, K., Watanabe, A., Nemoto, K., Takahashi, S., Goto, F., Sasaki, N., Hikage, T., Nishihara, M.

Identification of candidate genes responsible for flower colour intensity in Gentiana triflora.

Frontiers in Plant Science 13:906879 (link).

【研究成果の背景と概要】 

リンドウでは安定した花色の品種が求められています。 これまで、ピンク、白など青色と異なる花色の発色メカニズムの解明を行ってきましたが、花色の濃淡を制御する機構の解析は行われていませんでした。本研究では花色の濃さの異なる系統を用いて、交配により、F2集団を作出し、RNA-seq解析により発現量に差のある遺伝子を選抜しました。選抜された遺伝子のうち、薄い花色を示す系統で最も有意に発現量の差がみられたGtMIF1遺伝子(mini zinc finger protein)に着目し、タバコ形質転換体を用いた解析とDNAマーカーによる解析を行いました。その結果、リンドウのMIF1遺伝子を過剰発現させたタバコでは花色が薄くなり、薄い系統のMIF1アリルを有するF2個体は薄い花色を示す傾向が認められました。このことより、GtMIF1はリンドウの花色の濃さの制御に関わる遺伝子であることが示されました。 これまで植物のMIF遺伝子が花色に関わるという報告はなく、今回が初めての報告です。


【今後の展望】

MIF遺伝子は植物ホルモンを制御することにより植物の成長や形態形成に関わることが報告されており、リンドウで花色をどのように制御しているか、今後、解析が必要です。また、DNAマーカーを利用することにより安定発色品種の作出が期待されます。

イノベーション創出強化研究推進事業

「中性園芸作物リンドウの開花制御基盤技術の開発 」 基礎ステージ 設計検討会

2022/5/30

本年度の研究についての設計検討会を開催しました。今回は久しぶりに完全対面で開催することができました。 いただいた意見を参考に今年度、最終成果に向けて関係者一同で取り組みます。会議終了後、岩手県農業研究センターの重イオンビーム照射系統の育成や品種育成の圃場を視察しました。まだ、開花はしていませんが、これから有用な変異系統の選抜を進めます。

農林農水省 水産研究推進事業「ゲノム編集技術を活用した農作物品種・育種素材の開発 (個別)」花持ちが良く、省力栽培に適した花き の研究成果を論文発表しました 

2022/5/17 

タイトル: リンドウ花弁の老化に関わるEPH1L遺伝子の単離と解析

Takahashi, S., Yoshida, C., Takahashi, H., Nishihara, M.

Isolation and functional analysis of EPHEMERAL1-LIKE (EPH1L) genes involved in flower senescence in cultivated Japanese gentians. International Journal of Molecular Sciences 2022, 23, 5608 (link) 

【研究成果の背景と概要】 

リンドウは花き類の中では、花持ちがよい方ですが、商品価値を保つため、出荷調整には低温保存や鮮度保持剤の使用が必要とされています。また、花持ちのいい品種はリンドウの商品価値を高め、消費者の購買欲向上、需要拡大に繋がります。これまでリンドウの花持ちに関わる遺伝子は単離されていませんでしたが、本研究ではアサガオで老化に関わることが知られているEPHEMERAL1 (EPH1)遺伝子に着目し、そのホモログ遺伝子をリンドウから単離し、解析を行いました。EPH1Lと名付けたリンドウの転写因子遺伝子は老化の指標遺伝子であるSAG12の発現に先だって、花弁の老化に伴い発現が上昇しました。CRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集により本遺伝子のノックアウトリンドウを作成し、暗所誘導下で脱離花を用いて花持ちを評価したところ、ゲノム編集リンドウでは花弁の老化が遅れ、本編集体ではゲノムDNAの分解やSAG12の発現も遅れており、EPH1Lはリンドウの花弁において老化に関わっていることが証明されました。

EPH1遺伝子の機能はこれまでアサガオでしか解明されていませんでしたが、本研究ではリンドウでの同様の役割を示すことをゲノム編集技術を用いて証明したもので、今後、他の花き作物での研究の進展も期待されます。

【今後の展望】


リンドウ花持ちに関わる遺伝子を同定したことにより、今後、DNAマーカーや突然変異体を作することにより、花持ちのいい品種の作出が期待されます。

八重咲きリンドウ苗のマーカー検定

2022/5/16


本日から岩手県農業研究センターのリンドウ苗の八重咲きマーカーの解析を行います。今年は約2000株の解析を予定しています。

この中から、新品種が生まれることを期待して、作業を行っています。

ニュース

2022/5/13

リンドウの開閉の成果花弁ですが、Yahoo ニュースにも取り上げられました


温室のゲノム編集リンドウ

2022/5/6

今年、鉢上げしたリンドウ(F2のヌルセグリガント個体)は順調に育っています。夏には表現型が見れる予定です。八重咲き、花持ち、花色変異等の形質評価を行います。

Plant Cellのセレクション論文

2022/4/21

リンドウの花弁開閉の論文がPlant Cellの issue selection論文として紹介されています。

Herrera-Ubaldo, H.

Masters of flower-bending: aquaporins regulate flower re-opening. (link)

プレスリリース -リンドウの花が開くメカニズムを世界で初めて解明!

2022/4/21

リンドウの花弁開閉の研究がPlant Cell誌にアクセプトされ、プレスリリースを行いました。Plant Cellに掲載されたのは越冬芽のゲンチオビオース以来、リンドウでは2報目です。本知見を活用して、基礎研究を進めるとともに、花の開きやすいリンドウ品種の開発等への応用も期待されます。


プロトコール集

2022/4/1

植物バイオテクノロジー学会から、プロトコール集が刊行されました。

ひとりではじめる 植物バイオテクノロジー入門 ~組織培養からゲノム編集まで~

国際文献社

当チームからもリンドウで執筆を担当しています「リンドウの形質転換およびゲノム編集」pp212-223


新年度

2022/4/1

新年度が始まりました。当研究部はメンバーに変わりはありませんが、フレッシュな気持ちで研究に取り組んでいきたいと思います。本年度もよろしくお願い致します。