過去のトピック (2012-2014年度)
リンドウのDNAマーカー
作物ゲノム育種研究センターのホームページでDNAマーカーの利用促進に 向けて、各種DNAマーカーの情報が公開されています。 http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nics/057012.html http://www.naro.affrc.go.jp/genome/database/index.html 当センターも岩手県農業研究センター、八幡平市花き研究開発センターと開発した リンドウの花色識別マーカー(青、ピンク、白)の情報を掲載していただいています。 現在、さらに様々なDNAマーカーの開発を進めています。 |
学会発表予定
来週、3月16日〜18日に東京農業大学世田谷キャンパスで開催予定の 第56回日本植物生理学会年会において、当研究チームでは以下の3件の学会発表を予定しています。 興味のある方はご聴講ください。よろしくお願いします。 植物の稀少色素 3- デオキシアントシアニンを利用した花色改変手法の開発 西原 昌宏,山田 恵理,藤田 晃平,佐々木 伸大,高橋 秀行 エゾリンドウからのフラボン配糖化酵素遺伝子群の単離 佐々木 伸大,山田 恵理,西﨑 雄三,中塚 貴司,立澤 文見,樋口 敦美,藤田 晃平,高橋 秀行, 西原 昌宏 ゲンチオオリゴ糖をシグナルとするリンドウ越冬芽の休眠調節機構の解明 高橋 秀行,今村 智弘,金野 尚武,藤田 晃平,竹田 匠,西原 昌宏 |
リンドウのバイテク育種の研修会
本日、株式会社 T&Gバイオナーサリー(花巻市石鳥谷町)の方々が来られ、 リンドウのバイテク育種に関する研修会を開催しました。 倍数性育種や半数性育種、重イオンビームによる突然変異体の作出等、 実施中の研究を紹介し、意見交換を行いました。今後、リンドウの 新品種開発が促進されることを期待します。 |
今年の5大ニュース
今年も残すところあとわずかになりました。 いろいろなことがありましたが、無事終えることができそうです。 園芸資源研究部 育種栽培技術開発チームの今年のできごとを振り返って 5大ニュースをあげてみました。 ● リンドウの論文がPlant Cellの表紙になりました。プレスリリース(11月27日)。 ● 花きの市民公開シンポジウムを共催しました(8月22日)。 ● 園芸資源研究部が発足し、新メンバーが加わりました。(4月1日) ● 今年も多くの成果を発表しました。リストはこちらから(論文、学会発表) ● りんどう研究会、園芸育種研究会等でのセミナーの開催、 県内の中学、高校での出前授業等、バイテク技術の普及に向けて取り組みました。 来年も、よい成果を出すようにがんばります。 皆様、よいお年をお迎えください。Happy New Year! |
新規フラボン配糖化酵素の論文
リンドウが持つフラボンの構造と生合成に関わる配糖化酵素遺伝子について東京農工大学、岩手大学との共同研究で論文を発表しました。 Sasaki, N., Nishizaki, Y., Yamada, E., Tatsuzawa, F., Nakatsuka, T. Takahashi, H., Nishihara, M. Identification of the glucosyltransferase that mediates direct flavone C-glucosylation in Gentiana triflora. FEBS Letters (in press) フラボノイドの一種であるフラボンは一般にその基本骨格にブドウ糖などの糖が酸素原子を介して結合した形で植物に蓄積しています。一方、リンドウで蓄積しているC-配糖化フラボンは糖が酸素原子を介さず、炭素同士が結合している化合物で強い抗酸化力や、害虫への食害効果、また、花色の青色化への関与が報告されている化合物です。このC-配糖化フラボンはイネやコムギ、ソバにおいてフラボンの基本骨格が合成される前の段階で糖修飾を受けて合成されることが示されていました。しかし、今回、リンドウからフラボンの基本骨格に糖を直接転移する酵素をコードする遺伝子を単離したことから、リンドウではフラボン骨格が合成された後に糖修飾される別経路で生合成されていることを示唆されました。本経路で合成されるのがリンドウ属植物に限られるのかどうかは植物進化上、興味が持たれるところです。今後、C-配糖化フラボンのリンドウ内での役割(花色発色への関与、抗菌、抗害虫作用等)についての研究を進めていきます。 |
岩手県園芸育種研究会(りんどう部会)
昨日、埼玉県農林総合研究センター園芸研究所の石坂 宏次長をお招きして、 「バイテク育種手法を利用したシクラメンの品種開発」のタイトルで 講演をいただきました。当センターと岩手県園芸育種研究会の共催でした。 倍数体や野生種を利用した育種や、重イオンビームによる突然変異育種は 現在リンドウで進めている研究にとって大変参考になりました。 よい香りのするリンドウの開発も是非進められればと思います。 写真を撮りわすれましたので、香りシクラメンの開発について埼玉県の リンクを張っておきます。 |